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「よく此処で
ギター弾いてんの?」
美優は隣に腰を下ろしながら少年に問いかけた。
「うん!
毎日此処で弾き語りやってる。
あんまり人は僕のギター聴いてくれないけど、誰か1人の耳に入ってて誰か1人でもこの歌いいなって思ってくれてたら嬉しいから!」
と言ってまた満面の笑みを浮かべた。
頬にできるえくぼが少年のあどけなさを醸し出していた。
「君は…?」
「え?」
「よく此処にくるの?」
「ううん。
たまたま通りがかっただけだよ。
でも凄く素敵な歌だなって思った」
「ほんとに?」
「うん。
そんなことで嘘なんか言わないしお世辞も苦手だから」
美優は真っ直ぐにその少年を見つめていた。
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