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「……は?休暇?」
携帯を片手に次の電車を待つ
黒髪は間抜けた声で言った
『最近、トシは
働き詰めで休みとか
とってないだろ?
だから、そのまま今日一日
休暇でもとったらどうだ?』
電話の向こうから
声量が大きく野太い声のした
声が耳に微かに響く
上司なのだろう
相手がそう言えば
黒髪は少し呆れた声になり
「あのなぁ…
そんな簡単に休暇なんて
とれるわけねぇだろ……
第一、今日は大事な会議が…」
少し皺の寄った眉間を
揉みながら黒髪は
電話の相手にそう言った
『総悟に任せれば
なんとかなるだろうよ』
笑いながらも軽々しい口調で
黒髪にそう言えば
黒髪の男の眉間には
皺がさらに寄っていき
「あんな奴に任せてられっかよ
とにかく今日も
俺ァ出勤すっからな!!」
そう軽く怒鳴ったように
言えば電源をすぐに切って
携帯を閉じた
「随分、仕事熱心ですこと」
嫌味を言ってるような
言い方で銀髪は黒髪に
いちご牛乳を飲みながら言った
「うっせーよ
ていうかお前は
勤務先に連絡したのかよ」
眉間を揉みながら
黒髪は苛立ちを抑え問い掛ける
「ん~?いや
電話しなくても大丈夫
特に仕事とかないから」
「………は?」
相手の予想外の言葉に
黒髪はまた間抜けな声を出した
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