第一章 地獄

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和真は塔の中に入った。光る石が壁中に散りばめられていて、昼のように明るい。天井には、どこかで見たような絵が、光っていた。 思い立ったように、和真はポケットから紙切れを取り出し、天井の絵と照らし合わせた。ぴったりだ。天井の絵は、ここ、地獄界の地図だ。 天井の絵の中で、一際強い光を放つ箇所があった。そして地図と照らし合わせる。 和真は呟いた。「天地の塔…」 すると、急に足元から蒼い炎が燃えだした。和真は焦って足をばた付かせたが、抵抗も無駄に、炎は少年を瞬く間に包み込む。
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