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和真は逃げようとした。外に向かって走り出したが、すぐに炎が追ってくる。そして少年を捕まえると、塔に連れ戻す。何故このときに気づかなかったのだろうか---ただの炎にそんな力はない。
和真は心を乱して叫び散らした。「やめろ!!やめろぉ~ッ!!」
すると、鼻が詰まったような甲高い声が、どこからか聞こえた。「なんだよ!?そんなに慌てて、どうしたんだ!?」
和真は慌てたまま言い返す。「燃える!燃える…」
「燃えないよ」甲高い声が和真の興奮を妨げた。
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