第二章 炎帝

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リクは塔の内部の床の魔法陣の上に立った。赤い目を見開くと、瞳が輝きだし、赤い光がリクの体を包み込む。和真がまばたきしているうちに、リクの姿は青い炎に変わっていた。 炎が囁く。「まず、あそこに行こう」 和真は、どこに?と聞き返したが、その返事は塔の天井から返ってきた。天井の絵の一カ所が光っている。 「最初に行くところは、天地の塔だな。あっ、そうだ、今いるここが何なのか、さすがに知っているよな?」 和真はゆっくり首を振った。 炎は小さな声で言う。「地獄界いち高い塔、ハテン城だよ」
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