第二章 炎帝

5/44
前へ
/273ページ
次へ
リクは人差し指を口の前に立て、しーっ、と音を立てた。「あまり声がでかいと怪しまれる。まずは身なりからだな」 そういうと、人差し指をそのまま和真のだぶだぶな羽衣にあてる。すると白い羽衣は、黒いマントに変化していった。 和真は驚いて何も口に出せなかった。 「眼、以外は地獄人だよ」と、リクが言った。 二人は忍び足で塔を出た。前をリク、後ろを和真が歩く。ハテン城の外と同じように、広大な溶岩の中にポツンと浮いた浮き島だった。 眼前にはハテン城のように、頂上が見えない塔がそびえていた。黒い岩壁で大理石のように美しく光沢している。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加