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「まあ待て」マールはにやりと歯をむき出し、左手を広げて行く手を阻む。「急ぐって、どこに行くんだよ?」
マールは振り返り、塔を眺め、再びリクと向き合った。「まさか、古塔の見学でも?」
「勝手だろ」
「まあ、それはそうだが…納得いかないなあ…炎帝ともあろう者が、わざわざ歴史ある塔を見学とは」
「何が言いたい!?」リクの目つきが変わった。
「おおぉ、そんな怖い顔をしなくても良い。君にだってあるはずだ、誰にだってある…」マールは瞳を閉じて言った。「ハテンに刃向かう事くらい」
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