第二章 炎帝

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リクは巨塔の入り口を通過し、暗闇に消えた。和真は急いで後を追いかけた。 中に入ると、意外と塔の中が明るかったことに驚いた。ハテン城は、一寸先は闇で、すぐ近くにいるハテンを追うのに精一杯だったが、ここは違う。広い円形の部屋の壁に沿って、火のついた燭台が均等な間隔でならんでいる。通路や狭い階段がいっさいない。そのかわり、高い天井が吹き抜けている。 お約束のように、部屋の中央には魔法陣。やはり、リクも魔法陣の真ん中に立ち、何やら呪文を唱えるだろう。和真はそう思いながら後をついた。
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