6345人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
拓海君はそのまま里海を抱き上げ、肩車までしてくれた。
「わぁ~!高いね~!」
たどたどしい言葉で喜ぶ里海。
それを眺めていると自然に笑みがこぼれる。
拓海君は子供が好きなんだなぁ…。
結局、里海が遊び疲れて眠るまで拓海君はずっと遊んでくれていた。
「どうだ?新しい二人は。」
帰ってきた海斗が聞く。
海斗が脱いだスーツを受け取り、私は笑顔で答えた。
「良い人たちよ。拓海君なんて、里海と遊んでくれたりお花をくれたりして!きっと子供が好きなのね!!うまくやっていけそう。」
「……」
あれ?
話す内に海斗の顔が曇っていく。
うわ…怒ってる時の顔だ。
「か…海斗?」
私は何か悪い事をしただろうか?
不安に思いつつ名前を呼ぶ。
しかし、海斗はワイシャツを脱ぎ捨てて私に歩み寄ってきた。
あ…ヤバい。
この顔はヤバいパターンだ。
目の前に迫る顔には見覚えがあった。
これは海斗がヤキモチで怒っている時の顔。
無意識に後ずさりすると更に海斗が歩みを早める。
「遊里動くな。」
最初のコメントを投稿しよう!