新しい住人

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拓海君はそのまま里海を抱き上げ、肩車までしてくれた。 「わぁ~!高いね~!」 たどたどしい言葉で喜ぶ里海。 それを眺めていると自然に笑みがこぼれる。 拓海君は子供が好きなんだなぁ…。 結局、里海が遊び疲れて眠るまで拓海君はずっと遊んでくれていた。 「どうだ?新しい二人は。」 帰ってきた海斗が聞く。 海斗が脱いだスーツを受け取り、私は笑顔で答えた。 「良い人たちよ。拓海君なんて、里海と遊んでくれたりお花をくれたりして!きっと子供が好きなのね!!うまくやっていけそう。」 「……」 あれ? 話す内に海斗の顔が曇っていく。 うわ…怒ってる時の顔だ。 「か…海斗?」 私は何か悪い事をしただろうか? 不安に思いつつ名前を呼ぶ。 しかし、海斗はワイシャツを脱ぎ捨てて私に歩み寄ってきた。 あ…ヤバい。 この顔はヤバいパターンだ。 目の前に迫る顔には見覚えがあった。 これは海斗がヤキモチで怒っている時の顔。 無意識に後ずさりすると更に海斗が歩みを早める。 「遊里動くな。」
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