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悲しい事に、海斗のその命令に私の体は素直に固まる。
「…良い子だ。」
つり上がった目が細められ、海斗の大きな手が私の頬に触れた。
「…その口で、俺以外の男の名を呼ぶのか?」
長い指が私の唇をなぞる。
「拓海君はただの庭師でっ…」
咄嗟に反論して慌てて口を閉じたが、遅かった。
「…遊里が誰のものか、もう一度体に教えないといけないな。」
片方の口の端が上がり、海斗の意地悪モードのスイッチが入ったようだ。
ちょっとだけ震える肩を海斗が優しくなでる。
「ああ、安心しろ。…痛くはしないさ。多分、な。」
多分て何!?
多分て!?
混乱する私の脳を無視し、唇が強引に塞がれた。
「んっ…ふ…んっ」
むさぼるように動く海斗の舌に、頭が痺れていく。
キスしたまま、体がいきなり宙に浮いた。
私を抱き上げベッドに沈める間も海斗の唇が離れる事はない。
「んあっ…ん…」
濡れた音がする度に、私の蕾から蜜が溢れるのが分かった。
「…遊里、どうして欲しい?」
耳元で囁く声にすら甘い吐息が漏れてしまう。
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