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「指じゃ嫌…?じゃあ何が欲しいんだ?」
い…意地悪い!!
私を見下ろす顔が見透かしたように笑っている。
それでも、私は耐えきれずに口を開いた。
「海斗の…海斗の大きいのが欲しい。」
「…大きいの?ちゃんと言わないと分からないな。」
恥ずかしいのに必死に言ったのに!
海斗はどうしてもその単語を言わせたいのだ。
「もうやぁ…じらさないで海斗…。」
とうとう零れ落ちてしまった涙の滴に。
海斗の顔が一気に優しくなる。
私の髪をそっと撫で、触れるだけのキスが落ちてきた。
「…すまない、少し意地悪だったな。」
「少しじゃないよ!」
「お詫びに…今日はとことん愛してやる。」
ドキ。
海斗の瞳が色っぽく光る。
ジーッ…
チャックを下ろす音を聞き、高鳴る胸を押さえてその時を待った。
……ん?
何か…視線を感じる?
突き刺さるような視線。
私は小さく顔を動かし辺りを伺う。
一階とはいえ…カーテンは閉まってるし。
誰かが見れる場所なんか…。
「遊里…?入れるぞ。」
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