触れられない距離

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どういう事!? バンッ!!!! ドアを力任せに締め、私はソファーに座った。 この屋敷に来たばかりの時の私の部屋は、今はベッドとソファー小さなテーブル、そして中身が入ってないタンスのみ。 だけど、海斗と私の部屋には戻りたくなかった。 …私が悪いの? あの夜、海斗の誘いを断らなければ良かったの? 誰かに見られていると分かっていながら、抱かれなきゃいけなかった? でもそんなの嫌だった。 私は誰かに見られる為に海斗と抱き合いたいんじゃない。 二人だけで愛を確かめ合いたいのに。 なのに海斗は…あてつけみたいに茜さんを自分に付けて…。 海斗は私を信じてくれていないのだ。 拓海君とは本当になんでもない。 私は…私が愛しているのは海斗だけなのに。 コンコン。 控えめにドアがノックされ。 大平さんが入ってくる。 その手には朝食が乗ったトレイがしっかりと持たれていた。 「…ありがとう…。だけどごめんなさい。食欲がなくて…下げて頂けますか?」 「奥様…」 トレイをテーブルに置き、大平さんは悲しそうに目を伏せた。
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