6345人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
どういう事!?
バンッ!!!!
ドアを力任せに締め、私はソファーに座った。
この屋敷に来たばかりの時の私の部屋は、今はベッドとソファー小さなテーブル、そして中身が入ってないタンスのみ。
だけど、海斗と私の部屋には戻りたくなかった。
…私が悪いの?
あの夜、海斗の誘いを断らなければ良かったの?
誰かに見られていると分かっていながら、抱かれなきゃいけなかった?
でもそんなの嫌だった。
私は誰かに見られる為に海斗と抱き合いたいんじゃない。
二人だけで愛を確かめ合いたいのに。
なのに海斗は…あてつけみたいに茜さんを自分に付けて…。
海斗は私を信じてくれていないのだ。
拓海君とは本当になんでもない。
私は…私が愛しているのは海斗だけなのに。
コンコン。
控えめにドアがノックされ。
大平さんが入ってくる。
その手には朝食が乗ったトレイがしっかりと持たれていた。
「…ありがとう…。だけどごめんなさい。食欲がなくて…下げて頂けますか?」
「奥様…」
トレイをテーブルに置き、大平さんは悲しそうに目を伏せた。
最初のコメントを投稿しよう!