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「え?新しいメイドさんと庭師さんが来るの?」
ベッドに横になりながら、遊里が目を輝かせる。
その横に腰を下ろし、遊里の頬を撫でた。
「ああ。一人メイドが結婚して辞めるからな。庭師は随分な年だ、そろそろ手伝いが必要だろう?」
「そっか。どんな人が来るんだろう!楽しみだね。」
子供のようにはしゃぐ姿に目を細める。
遊里の素直な感情表現は見ていてこちらまで嬉しくなる。
「ああ。新人メイドの指導は大平に頼んだから、必然的に遊里の世話をしてもらう事になる。あまり困らせるなよ?」
「ちょっと。私はそんな事しません!」
頬を膨らませた遊里に思わず吹き出しそうになってしまった。
「…あれ?昔家出したりして大平を困らせてたのは誰だったかな…。」
「!?…そ、それを言う!?」
遊里の目が潤んだのを見て慌てて遊里を抱き締める。
「すまない。意地悪し過ぎたな。…許してくれるか?」
「…キスしてくれたら許す。」
顔だけ離し、遊里の瞳を覗き込んだ。
「…キスだけで良いのか…?」
囁くと遊里の頬が真っ赤に染まる。
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