運命の日

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拓海君と茜さんが屋敷にやってきて、二週間が経っていた。 相変わらず海斗とは顔を合わせない日々が続いている。 パタパタ。 海斗が夕食を食べ終わる前にお風呂に入らなきゃ! かち合ったら大変だ。 廊下を早足で歩いていると、前から拓海君が歩いてきた。 「奥様、お風呂ですか?」 私の抱えている着替えを見て拓海君が微笑む。 「うん、入ってきます。…あ、バスタオル忘れた…」 「あ、じゃあ僕が取りに行きます。大平さんに聞けば分かりますよね?奥様はどうぞご入浴なさって下さい。」 「え…でもっ…」 言い終える前に拓海君は走って行ってしまった。 ……本当に良い人だなぁ拓海君。 思いつつ、服を脱ぎ浴室に入る。 シャー… シャワーを浴びながら考えるのはいつも同じ事。 …このままで良いわけない。 最近茜さんがやけに海斗にベタベタ触ってるって大平さんが怒ってた。 海斗が私を嫌いになったのなら…私はもうここに居てはいけない人間なのだ。 でも… 「嫌だぁ…海斗と別れるなんてっ…」 思わず声が出てしまう。 「…誰が別れるなどと言った?」 瞬間。 後ろから聞こえてきた声に私の胸が高鳴った。
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