運命の日

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「…そもそも、別れるよう仕向けてるのはお前じゃないのか?」 淡々と続ける海斗に、私は振り向く事が出来ない。 久しぶりに聞いた生の海斗の声。 ただそれだけでこんなにも幸せになれるのに…何故私が別れるよう仕向けるというの? 「拓海にヘラヘラと愛想を振りまいて…良い仲だと言うじゃないか。…俺の見送りや食事もほったらかして行くくらいだから…さぞかし深い仲なんだろうな?」 「!?」 何…? 海斗は…海斗は私を全く信じてくれていない。 私が好きなのは。 愛してるのは…。 悲しみで頭が真っ白になり、私は怒りに任せて口を開いた。 「冗談じゃないわ!…海斗こそ、茜さんにベタベタ触らせて…私以外に触られるのは嫌だとか言ってたくせに!!…もう寝たんでしょう?茜さんが大平さんにこっそり相談してるの聞いたんだから!!」 「な…に?茜が?」 大きく開かれた瞳に、ハッとする。 海斗のこの顔は…本当に困惑している顔だ。 でも茜さんは確かに昨日大平さんに相談していたのだ。 『旦那様と一夜を共にしてしまった。好きだと言われた』と…。
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