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「海斗あのっ…」
説明しようと小さな声で言うと。
海斗が口を開いた。
「拓海。」
「は…え?旦那様…ですか?」
困惑したような拓海君の声。
海斗何を…。
「私のバスタオルも持ってきてくれるか?…一緒にシャワーを浴びているんでな。」
「かっ…海斗っ!?」
私の慌てた声に海斗がにんまりと笑った。
「…かしこまりました旦那様。」
拓海君が出ていく気配がして、私はおそらく真っ赤に染まった顔で海斗を見上げる。
「…これくらいの意地悪いいだろう?散々ヤキモチをやかされたんだ。」
「海斗…」
私と同じように、海斗も拓海君にヤキモチをやいていたんだ。
この二週間、私達は互いに勘違いとヤキモチですれ違っていたんだね…。
「遊里、先に上がって待っていてくれ。きちんと話し合いをしよう。」
「…海斗の部屋で?」
「違うだろう?俺と遊里の部屋で、だ。」
その言葉が嬉しくて。
私は大きく頷いた。
浴室を出て大慌てで着替え、寝室へと向かう。
…今日こそきっと仲直りが出来る。
そう思うと、自然と足取りが軽くなった。
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