遊里の泣き顔

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ガチャッ!! 茜が携帯で誰かに電話をかけた。 と思ったら、五分ほどして部屋のドアが開いた。 「!?」 そこには拓海に抱きかかえられた裸の遊里。 俺の頭が怒りで沸き立つ。 「海斗!?」 「遊里…大丈夫か!?」 俺の姿を見て安心したのか遊里の大きな瞳から大粒の涙が溢れた。 俺は茜を睨みつけ、怒りで震える唇を開く。 「…なんのつもりだ。」 「…あなたの唯一の弱点は家族でしょう?まさか子供を手にかけるほど私達も極悪人じゃないの。拓海。」 名前を呼ばれた拓海は遊里をベッドに下ろした。 そしてすぐに鎖で遊里をベッドに縛り付ける。 「おいやめろ拓海!」 俺の叫びも虚しく。 遊里の腕はガッチリとベッドの柵に固定されてしまった。 「…遊里を犯すわ。」 「!?」 茜が唐突に放った言葉に、頭の中が真っ白になる。 「それが嫌なら私を抱くのよ。」 そう言いながら茜の指が俺の頬をなぞった。 「あんたが遊里以外に反応しないって言うなら、遊里の裸を見ながらでも良いのよ?」 勝ち誇ったように笑う茜に、唇を噛み締める。
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