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なんなんだ一体。
遊里を犯す…?
嫌な記憶が蘇る。
遊里が誘拐され…傷ついたあの日の事が俺の頭をグルグルと回った。
「やぁあ!!」
突然響いた遊里の悲鳴にベッドを勢いよく振り返る。
泣きじゃくる遊里の足を持ち上げ、その間に座った拓海が嫌な笑みを浮かべ俺を睨んだ。
「おい。…いい加減にしろ…遊里を傷つけるな!!」
「だから言ってるでしょ!?あんたが私を抱けば良いだけなのよ!!それを遊里に見せつけて…あんたは私と再婚するの。私は玉の輿にのれるしあんたは私のこの体を毎晩抱ける。…良い事だらけじゃないの。」
「……そんなの…間違ってる…。」
か細い声が、茜の言葉を遮る。
「遊里…。」
涙を流し茜を見つめる遊里は、悲しそうに眉を寄せた。
「…茜さん…あなた、海斗を愛してるから抱かれたいんじゃないのね?」
「…はぁ?愛してるとか愛してないとか…今何の関係もないでしょ!?黙ってて!!」
怒鳴った茜に、遊里の顔が歪む。
「わたし…嬉しかったのに…。茜さんも拓海君もすごく良い人だって…信じてたのにっ…」
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