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「茜さんあなた間違ってる。…お金じゃないのよ…大事なのは愛だけだわ…。あなたに海斗への愛がないのなら…海斗は絶対に渡さない。」
「遊里…」
「例え今ここで犯されたって!!…私が海斗を愛し続ける気持ちは変わらないわ!!」
泣き叫ぶように言い放った遊里は、そのまま声をあげて泣き出す。
拓海は、その姿に呆然としているようだった。
遊里…。
遊里の言葉を聞いて。
ますます怒りがこみ上げてくる。
卑怯で卑劣なやり方も。
…新しい人がくる事を誰よりも喜んでいた遊里を裏切った事にも。
「…茜。」
遊里を睨みつける茜の名を呼ぶ。
俺は茜の目を真っ直ぐに見据え、言葉を吐き出した。
「俺は遊里以外は絶対に抱かない。…抱けない。例え目の前に遊里がいても、抱く相手が違うんじゃあ俺の下半身はピクリともしないんだ。何故だか分かるか?」
茜が俺から目を反らす。
それでも俺は言葉を続けた。
「遊里を、愛しているからだ。」
「海斗…」
わなわなと拳を震わせ茜が唇を噛み締める。
「拓海…その女めちゃくちゃにして!!!!!!」
茜が怒鳴った瞬間、拓海がゆっくりとズボンのチャックを下ろした。
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