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期待を込めた私の気持ちも虚しく、茜さんと拓海君は真剣な顔で私達を凝視していた。
まるで、初めて日本語を習いに来た外国人のように。
だ…ダメだ…。
微かな抵抗の理由も失った私は、恐る恐る海斗に視線を戻す。
視線がぶつかった途端、脅えていた私の体から呆気なく力が抜けた。
私を見下ろす海斗の瞳が、熱く潤んでいたから。
「…遊里…二週間もお前を抱けなかった。」
「海斗…。」
「お前はいつ抱き締めても暖かいな…。」
そう言って抱き締められたら。
もう私の感情も抑えが効かなかった。
本当は二週間ずっと海斗に触れたかった。
細いながらも逞しい胸に抱き締められ、熱く求められたかった。
「私も、海斗に触れたかった…。」
首に腕を回し抱き締め返す。
顔が近づいてくると、自然に瞳を閉じた。
海斗の唇が私の唇をついばむように吸い、舌が中で絡み合う。
「んっ…ふぅっん…」
漏れる息は甘く耳を犯し、体がどんどん火照っていった。
私を激しく求める海斗のキスに。
恥ずかしさとかそんなものは、どこかに吹っ飛んでいた。
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