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自分への怒りで声が震える。
海斗はクスッと笑い、小さく首を振った。
「…いや。まぁ…EDだと思われるのが嫌だったのは事実だ。EDだから茜に反応しないんじゃない。愛する人以外に反応しないだけなんだからな。」
「海斗…」
ひどい事を言ったのに、それでも海斗は優しい。
海斗の肩におでこをつけ、心から謝った。
「ごめんなさい海斗…私、あなたの優しさに甘えて今回だってひどい事を…」
「あ~もうその話しはなしだ。それより…」
重い空気を打ち破った海斗がニヤリと笑う。
ジャラ…
その手には、見覚えのある鎖。
「ちょっと…か、海斗?」
まさかまた縛る気!?
冷や汗をかく私を確認してから。
海斗が鎖を枕の横に放った。
「…こんなもの要らないな俺達には。」
「そうだよ。…縛らなくても、絆があるから。」
私が笑うと海斗も笑う。
ゆっくりと近づいた海斗の顔が私の首筋に落ちた。
自然に横を向いた私の視界で鎖が怪しげに光っている。
「……もう出番はないわよ。」
そう呟くと、鎖をベッドの下にずり落とした。
「何か言ったか?」
「…愛してるって言ったのよ!!」
疑いの目を向ける海斗の首に腕を回し、深い深い口付けを交わす。
愛ある日々が、また、始まった―――。
END
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