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ピシリという音は、いつの間にかバリバリというガラスの破片を踏み潰した時の様な音に変化する。
「うおらぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は渾身の力を込め、バリアを突き破った。
「なっ・・・!」
男は漠然とし、頭上から落ちてくる破片を見る。
夕日に照らされた朱色の破片は男の頭上からバラバラと地面に落下した。
「くっ・・・予想外だ。倉吉!もう一枚無いのか!!」
「今ので最後。スペアは無い」
男は苦虫をかみつぶした様な顔をする。
「せっかく手を触れずに勝てると思ったのに、やっぱ最後は自分の力か」
男はナイフの切っ先を俺に向ける。
まだ・・・終わってない。
だけど体が言うことを利かない。
腕は下がったまま動かない。
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