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「ここまでよくやったよ神崎城哉。いや、これは挑発ではなく本心だよ」
男はギラリと鋭く不気味に光るナイフを手元で回転させ、握り直す。
本気の目だ。
コイツは俺を本気で殺そうとしている。
逃げなくちゃ・・・でもどこに?
こんな走る事もままならない体でどこに逃げるというのだ。
こうなったら道は一つしかない。
戦う。
コイツを倒して先に進む。それが俺に残された唯一の手段だ。
俺は痺れた拳を握り直し、力を入れ、男を睨みつける。
「ほう・・・目は死んでいないってとこか」
男はこの状況が面白いのだろうか、ずっと笑っている。
くそったれが!
俺は声にもならないその叫びで更に拳に力を加える。
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