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そして、俺は遂に踏み込んだ。
傷だらけの右腕を大きく振り込み、男の腹部を狙う。
コイツを倒して遥香を救う!
俺の頭にはこの言葉しか思いつかなかった。
だが、俺の思いは虚しくも散ってしまう。
俺の渾身の一撃は、男の持っているナイフの平らな部分で止められる。
「考えが甘いんだよ神崎城哉。こんな虫の息の様な一撃で俺を倒そうと思うなよ」
男はナイフを押し込み、俺はその衝撃で突き飛ばされ、背中から倒れる。
「ここまで粘った事は見事だ。だけど、この殺し屋新谷隼人(ニイヤハヤト)に狙われたのが運の尽きだったな」
男・・・いや、新谷は俺の元に歩み寄り、そのナイフの切っ先を俺の胸に向けた。
心臓をグサリってところか。
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