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俺は泣きそうになりながらも涙を零さず、諦めようともせず、立ち上がろうとする。
しかし、体が思うように動かず、俺は少し立ち上がった時点で腹から倒れる。
「ゴハッ!!」
肺から一気に空気が吐き出され、それと共に赤い液体を飛び散る。
しかし、俺ははいつくばって新谷の足を握る。
「俺は・・・・・・諦めねぇ・・・・・・ぞ!」
全身の力を振り絞って出した叫び。
もちろん、この叫びで何かが変わるなんて思っていない。
新谷はその叫びに苦笑いを浮かべ、たった一言発する。
「さっさと諦めちまえば良かったのにな」
つまらなそうな一言と共に最期の一撃が来る。
俺はそれでも足を強く握る。
僅かな希望を信じて。
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