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だが、俺の知らない何者かの手によって、俺は今生きている。
『今は悔しいかもしれない。だけどな、今のお前は弱い。だから、もっと強くなれ。強くなったら、次はお前の番だ』
この言葉を掛けてくれた人物は一体誰だろう。
まるで、あらかじめ俺が倒れる事を知っていた口ぶりだったが・・・。
俺が一人で次々と思考を巡らしていると、廊下から数人の足音が聞こえてきた。
「どうやら誰かきたみたいなので私は行きますね」
「え、あっあぁ、お前もあんまり無理すんなよ」
「大丈夫です!私、こう見えても体の頑丈さなら霊界で一、二を争いますから」
そう言うと零は窓から飛び込み、姿を消した。
さてと、と俺がベッドに腰を預けようとした時、病室のスライドドアが静かに開く音がした。
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