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「城にぃ、生きてたんだ」
一人、病室に残った琴音は俺に尋ねてくる。
「勝手に人を殺すな!にしても・・・お前は大丈夫なのか?」
「私はこの通り元気だよ。って言ってもまだ目覚めて二日しか経ってないんだけどね」
「そうか、でも良かった。お前、危うく死んじまうところだったんだぜ?」
「らしいね。類さんから聞いたよ」
そういえば類さんの姿がどこにも見当たらない。
あの人なら、真っ先にここに来ると思ったのだが。
「類さんなら智美さんと一緒に墓参りに行ったよ」
「墓参り?」
「うん。確か、昔の友人だった女の子の墓って言っていた様な気がする」
俺はそれを聞いた瞬間、誰の墓だという事が分かった。
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