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「お前、手続きってそれの事か?」
俺は桐野の持っている用紙を指差す。
「えっ!あっ、まぁ、そうなんだけどさぁ・・・・・・」
明らかに怪しい反応。どうやら俺の予想は的中しそうだな。
「ちょっとそれ見せてみろ」
手を伸ばし、俺は桐野の手元からその用紙を抜き取った。
「あっ!ちょっちょっと待って!」
もう遅い!
俺は桐野の手元から抜き取った用紙を机上に叩きつけた。
やはりそこに書いてあったのは部活動登録用紙の文字であり、部長と顧問の名前の欄には既に名前が記入されていた。
俺の広げた用紙をみんなはまじまじと見始める。
「おい桐野、お前部活始めるのか?」
北谷がまるで人事の様に桐野に尋ねる。
「へっ!?まぁ、そうだけど」
際どくなってきたのか、桐野の声は段々とくぐもっていく。
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