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しばらくの沈黙が続く。
「なぁ、北谷」
その沈黙を始めに破ったのは俺だった。
「何だ城哉」
北谷は鞄を背負いながら返答する。
「あれってわざとだよな」
北谷はしばらく無口になり、そして口を開いた。
「そうだ」
その言葉に揺るぎは無い。どうやら、真実の様だ。
そして北谷は続ける。
「桐野には悪いが、俺は部活に参加する気は無い。夏から始めたバイトが忙しくなってきたんだ。近い内にゴーストバスターズからも外して貰う予定だったが、ちょうど良かった」
俺は次に安田の方を見る。
「俺は・・・実は夏から塾に行きだしたんだ。だから部活は出来ないよ。桐野には悪い事をしたと思ってるよ」
やはり、安田もわざとだった。
「神崎、俺達にだって自分の事情ってのがあるんだ。分かってくれるよな?」
もちろんそんな事は分かっている。
だけど・・・これはちょっと酷いだろ。
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