天月 梨音

3/7
前へ
/51ページ
次へ
僕の性別? 勿論男だ。 因みに名前は神崎優人。高校1年生。 ……さっきの台詞言った奴? 勿論男。 ……あぁ、一応言っておくけど 僕への告白じゃないから。 僕そっち系な趣味ないから。 僕は掃除当番のゴミ捨てじゃんけんで敗北してゴミ捨て場までせっせとゴミ箱を運んでいたら運悪く一世一代(なのかは知ったこっちゃないが)の愛の告白の場に遭遇してしまった不幸な通りすがりの少年Aだ。 ここの角を曲がってすぐの所で展開されている。 ゴミ捨て場はここの角を曲がった先にある。 僕はここの角を曲がらなければいけない。 ……………困った。 ってな経緯があり、冒頭に至るわけだ。 もうぶっちゃけ早く帰りたい。だから今すぐゴミを処理してしまいたい。 ……だからと言って、折角の告白の場にゴミなんて不浄なブツを抱え堂々と踏み込もうなんて度胸があるわけでもなく 仕方なくゴミ箱を抱き締めながら事が終わるのを待っているのだ。 ……別に盗み聞きする趣味もない。 「……………あの、駄目かな?」 告白した男子の不安そうな声が角の先から聞こえてくる。 相手は何をしてるんだ?さっさと答えればいいじゃないか。 もう答えは決まってるんだから。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加