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「こんな所で何してるの?かくれんぼ?」
「……見て分かりませんか?」
「うーん…ゴミ箱抱っこごっこ?」
「遊んでいるように見えるなら眼科へ行ってください」
彼女は天月梨音。高校2年生。
一応僕の先輩だ。
「……さてと」
「えっ?どこ行くの?」
「ゴミ箱持って買い物に行くように見えますか?」
「……家に帰るとか」
「僕はゴミ箱コレクターではないのでお持ち帰りはしません」
性格は朗らかで人懐っこい。そして天然。そりゃもう天然記念物並みの天然ぶりだ。
「あ、まさかゴミ捨てに行くの?」
「まさかも何もそれしかありませんから」
「じゃあ私も一緒に行く!」
見た目は……普通に可愛いと思う。緩くウェーブがかった、栗色の長い髪。二重瞼で大きな目。華奢な体に綺麗な肌。
これだけ可愛いのだから世の中の男が放っておくはずがない。
彼女は今までに何回も告白されてきた。
そして全てにOKしてきた。
「……いいんですか?
僕と歩いてる所を恋人に見られたら怒られますよ?」
「大丈夫!だって優人君だもん!」
「いや、意味分かりませんし」
「えへへー」
そう。彼女は来るもの拒まずな女なのだ。
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