出会いの匂い

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-4月 出会いの季節。 それは 朝の目覚ましの音から始まる。 --ピ…ピピピピピ…--- ポチッ。 「う----ん!!...はぁ。」 背筋を伸ばし、ため息をつく。 時間は6時。 俺の名前は如月海(キサラギカイ)。 一応生徒会長をしている。 生徒会長と言えば大胆が 「真面目」 「頭がいい」 「身なりが整っている」 と言うようなイメージがあるだろうと思うが俺は全くと言って言い程むしろ「真逆」と言う言葉が自分にはあっているだろう。 なぜなら...おっと!!これは学校に着いてからのお楽しみにしておけ! 「海-?もう起きた-?早く支度しなさいよ-。」 下から母さんの声が聞こえる。 「わかってるって-の。」 小声でそう言うと手際よく支度にとりかかった。 支度が終わりリビングで朝食をとり終わると玄関に向かった。 外に出ると春の匂いがした。 自転車に鍵を掛け学校に向かう。 前からくる風が気持ちいい。 今日から新学期だ。 早く彼女ほし-!! って何言ってんだ俺!! 新学期早々俺おかし-。 でも男として真面目に恋したくなってきた-!! ...朝からテンション高っ!! って自分でボケ??てさらに自分でツッコミ入れてどうすんだ。この俺、生徒会長わ。 そんな事を考えているともう学校に着いていた。 自転車を駐輪場に置いていると後ろから 「よっ!!」 っと。 誰かはわかってはいたが一応振り返ってみる。 「...類か。」 こいつは下澤類(シモザワルイ)。 俺の幼稚園の時からの幼なじみで小学校・中学校・高校とずっと一緒にいる...親友。 「なんだよ-その反応わ!!少しは驚けよなっ!」 「...びっくりした。」 「...無表情すぎる!!しかも気持ちがこもってな-い!!」 類は朝から元気がいいな-。 「っるせ-!!...んな事よりクラス分けの紙早く見に行こうぜっ!!」 「はいは-い!!」 高校三年 卒業までに彼女作るぞ-!! 俺はそう思っていた。 でもその出会いは突然彼にやってくる。 廊下を類と走っていると ドンッ!! 誰かにぶつかった。 .
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