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「ほら、私塾講師のバイトしてるじゃん?そこで今もってるクラスの男の子で、通うのが大変で今月いっぱいで辞めたいってコがいるんだ。で、代わりに家庭教師を雇うつもりらしいんだけど、家庭教師って当たり外れあるし、だからといってどうやってさがせばいいかわからないしって親御さんに相談されちゃって。」
「それじゃあ彩がそのコの家庭教師やってあげたらいいじゃない。親だってそれを期待して彩に相談したんでしょ?」
私は店員さんを呼び止めて空のビールジョッキを片手にもうひとつ、と合図をおくる。
今日これで何杯目だっけ?
ちょっと酔っ払ったかな。
「無理無理!私今のバイトだけで手一杯だもん。英語みてほしいみたいなんだけど、葉雪英語得意だし去年一年留学してたし?そのこと話したらスピーキングもお願いしたいって向こうの親御さんも乗り気になってさぁ~。」
「ちょ、まだ承諾してないのに何勝手に人の名前だしてんのよ!」
ていうかたかだか一年留学してたくらいじゃ、発音どーにもなりませんからっ。
過剰な期待よせられても困る!
じろりと睨むと、彩はごめんといいながらも何やら楽しそうで。
なんだか嫌な予感がした。
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