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自分の部屋ほど落ち着くのは、風呂か便所だと思ってる俺は、インザマイルームしていた。
音楽を聴きながらケータイをいじり、ベッドの上でまどろむ。
絶好の和み日和(夜)だ。
……だがしかし、その至福の時を引き裂くように、妹が部屋のドアを乱暴に開け放ってづかづかと俺に詰め寄ってきた。
「馬鹿兄貴!!」
イヤホンを付けていたので無視を貫こうと思ったのだが、それをちぎるかの如く外し、妹は腹一杯の息を声へと変えた。
「ったく、うるせーなー。つーか、お前ちゃんとドアの表示見なかったのか?」
「そんなの知らないわよ!」
案の定噛み付いてくる妹を宥め、俺はあぐらをかいて向き合い、口を開いた。
「じゃあ教えてやる。……“セールスお断り”だ」
「……いや、意味わかんないし。それより兄貴! これを見なさい!!」
ぐいっと突き出された手には、空になったプリンの器が握られていた。
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