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「……白銀さん」
武は後ろからの声で顔をあげる。
「霞…わるい時間かけすぎたか」
「…いえ、ただ白銀さんにあいにきた方をお連れしたんです」
霞の後ろから歩いてくる人影に武は驚かされた。
「久しぶりだな白銀。」
「お久しぶりです白銀少尉……あ、今は白銀准将でしたね。」
「…お久しぶりです、宗像中尉風間少尉。後准将は勘弁してくださいよ、恥ずかしいんですから」
「ふふ…」
「まて白銀、私達はもう軍人じゃないんだから階級つけることも必要ないだろう」
「そうでした、つい付けてしまいます。軍人の癖ってやつですかね?」
武の前には懐かしい顔が並んでいた
宗像美冴・風間祷子、武にとってA-01の先任で何かと世話になった。また数少ないA-01の生き残りである。
「相変わらずそうだな、少しは疲れた顔してるんじゃないかとおもってたんだけど」
「そうも言ってられませんし、何より弱音吐いたら大尉や速瀬中尉あたりに怒られそうじゃないですか」
「確かに速瀬中尉なら間違いなくだろうな」
「案外、御剣さんのほうが激しいかもしれませんよ」
軽口がたたける相手など武には数えられる程しかこの世界には存在しない。
桜花作戦以降国連軍上層部、さらには夕呼の策略もあり武は英雄として持ち上げられ気軽に話せるような相手を作ることが出来るような環境にはいなかった。
そんな武には彼女達のような存在が支えであり。多くの物を失った後生き残る糧となっていた。
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