歓喜の時へ

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2007年12月31日 地球軌道上 「……お姉ちゃん……速瀬中尉……ケリつけるからね……」 涼宮茜は紫電作戦の為に地球軌道上で待機していた。幾度となく降下作戦はこなしてきたし、慣れてもいるつもりだったがさすがに今回の作戦ばかりは落ち着かなかった。 紫電作戦、地球に残るハイブ2箇所を同時に攻撃し、人類の悲願であるBATA大戦を終結させようという戦いなのだ。落ち着けというのも難しい。 「涼宮中尉、横浜から通信が入っています。」 「わかったわ。つないで」 旗艦からの通信に答えると秘匿回線で通信がはいった。 「ハァイ涼宮。束の間の遊覧飛行はいかがかしら?」 「指令……おかげさまで楽しんでます。で、どうしたんです?この状態で通信なんて」 突入間近の状態で通信してくるという事は何かが起きたからだ。それ以外は考えられない。 「えぇ、作戦内容事態は変更ないわ。ただあなたの部隊以外を信用しないこと。変な行動したら打ち落として頂戴。」 「了解です。」 「ま、詳しい話は帰ってきたら聞かせてあげる。だから完遂させて戻ってきなさい」 通信は一方的に切れる。夕呼らしいのだが茜にしたらたまらない、内容が意味深すぎるのだ。 「……ま、やるしかないかぁ」 ため息混じりの独り言。しかし茜は決意が固まっていくのを感じていた。 人類の勝利に向けた戦いが幕を開けようとしていた。
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