240人が本棚に入れています
本棚に追加
フラワーショップ
『Whiteberry』
朱杜の働いている店の名前だ。
店の中でくるくると動き回る朱杜は
さながら美しい蝶のようだ……
朱杜が本当に蝶なら
捕まえて標本にして
その可愛さを
可憐さを
いつまでも俺の近くにとって置けるのに………
「いらっしゃいませ」
朱杜が話しかけてきた。
「よくいらっしゃいますよね。お花好きなんですか?」
朱杜が俺に声をかけた……
なんて可愛い声なんだ。
「今日は何を?」
そんな朱杜の問いに言葉で返さず
1つの花を指差した。
「鈴蘭ですね?一輪ですか?」
静に頷くと
一輪の鈴蘭をもってラッピングをしに行った。
「はい、どおぞ♪」
渡された時に
朱杜の手に触れた……
暖かい
「いつも鈴蘭買いますよね」
朱杜を目的に通いつめていたこの店
気づいたら
常連客になっていた。
「鈴蘭好きなんですか?」
朱杜の問いに
またしても言葉でなく
頷いて答えた。
「私も好きなんですよ♪」
………知ってるよ
知ってる……
鈴蘭が好きな事
だから朱杜の出勤日に合わせて
その日に花を買いにきてるんだよ。
花なんかぶっちゃけ
興味ないね
俺が興味あるのは
朱杜……
君の全てだよ……
そう………
君の…スベテ……
ククククク………
最初のコメントを投稿しよう!