ノクターン

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俺は、自販機の近くにある緑が生い茂っている花壇の煉瓦造りの囲いの座れるスペースのところに腰を下ろして、暫くノクターンに聴き入っていた。(説明が難しい。分かりにくくて、すまん) ストレス社会の現代、人間に必要なものって、癒しだね☆ クラシックは、そこまで興味はないが、癒しの力があったとは。 そろそろ図書室に戻るか。 「あっ」 立ち上がろうとしたとき、突然、俺の目の前に影が立ちはだかった。 「よっ」 と、影。 顔を上げると、そこにはリュックをからい、通学カバンを持って、まだ室内用のスリッパを履いている河内がいた。 「なんだ、河内か。補習いつ終わったのか?」 急に現われたからビックリしたじゃないか。 河内は、ニッと笑って 「さっき♪てか、オレも飲み物買おっと」 俺が持っていた紙パックの飲み物を見るなり、河内はカバンから財布を取りだして自販機に向かった。
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