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「あっちぃーっ!」 炎天下の中、俺たちはグランドで朝っぱらから体育祭の全体練習をしている。 テントは昨日準備していたから、休憩中はなんとかなるが、練習中はどうにもならん。 クソ暑い中、只今入場行進の練習中である。 「うちの学校の行進、ちょいメンドイよな」 と、宮瀬。 「あぁ。たしかに」 色の評価に入るからって、先生方のテントの前で、団長の考えた演技をせんといかんという、面倒臭いものがある。 たしか、去年は「んちゃっ」だったかな?あれだよ、ドクタースランプなんとかってやつの。それを手をつけてやった。 今年は……なんかよくわからんやつ。 「松本は覚えたか?行進のときのやつ」 あっ、松本は俺の名字ね。 「いや、覚えてない。周りのを見ながらやろうかなって思っているが、宮瀬は?」 「おれも覚えてない。おれも周りみよっかなっ」 ♪~♪~♪ 行進の音楽が鳴り始めた。 俺は前へ向き直る。 は~、めんどくさ。
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