9人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
リビングに入ったら沙耶ちゃんがテーブルに突っ伏していた。
……寝てる?
穹
「沙耶ちゃ~ん?朝飯出来たよ~」
沙耶
「うーん……ふわ……ぁ。
あ、蒼崎君。早いですね~」
穹
「いや、簡単な物作ってただけだし。
ほら、食べるよ」
沙耶ちゃんを起こし、朝飯をテーブルに並べる。
カレーのいい匂いが漂う。
沙耶
「いただきます~」
穹
「はいどうぞ……。さて、俺も食べるか。いただきます」
そして一口トーストをかじる。
チーズでカレーの辛さをまろやかにしている。まろやかで美味い…『マロい』。……違う違う。使っちゃならんこんなネタ。マロいの意味違うし。
沙耶
「ごちそうさまでした~」
穹
「早ッ!!……えっと、お粗末様」
気付いたら沙耶ちゃんはトーストを完食していた。
俺もさっさと食ってしまおう。
穹
「ごちそうさまでした」
朝飯を食い終えて、アイスコーヒーを飲んでのんびりしている。
こののんびりした時間がとても好きだ。
沙耶
「こうしていると私達夫婦みたいですね~」
穹
「ぶっ!!」
吹いた。
何をいきなり……
沙耶
「夫婦だったら呼び方も変えなくてはいけませんね~。
えっと………あなた♪」
穹
「ぶふっ!!」
さらに吹いた。
そんな可愛い顔して『あなた♪』なんて楽しそうに言わないでくれよ……。
「え……?」
穹、沙耶
「「へっ?」」
声がした方に振り返ると……。
尚実
「弟君……いつのまに結婚してたの……?」
穹
「ちょい待て尚姉!!
……どこから見てた?」
尚姉だった。
なんか物凄く悲しそうな顔してるんだけど。
尚実
「冴島さんが弟君に『あなた♪』って言ってる辺りから…」
穹
「あのな、尚姉、それは」
尚実
「結婚なんて大事な話をなんでお姉ちゃんの私と由希ちゃんにしてくれなかったの?
やっぱり、お姉ちゃんは……」
穹
「誤解だぁぁぁぁ!!!!」
そして、尚姉の誤解を解くのに一時間使ってしまった……。
最初のコメントを投稿しよう!