警告

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そうだ、髪を切ろう。 伸ばした髪も意味ないから。 そう思い続けて数日が経った。 ザクロ、もといスザクからは毎日電話が来る。 だけど一度も出ていない。 あの女、誰よ。 スザクって誰よ。 その疑問が溢れかえり、思わず通話ボタンを押したのは一週間後だった。 「スズ?良かった、もう出てくれないかと…」 「あの女、誰よ」 「ただの友達だよ」 「ただの友達と腕を組むの?」 「ふざけてただけだって」 「スザクって誰よ」 なんか…なんか私、嫉妬に狂った女みたい? 構うもんか。 「スザクって誰よ!!」 「俺」 短く簡潔な答え。 「ザクロは?」 「ライブん時のステージネーム」 「付き合って半年経つのに、どうして教えてくれなかったの?」 「全部、演じてた」 泣きたいのはこっちよ。 あなたが泣いて、どうするのよ。
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