Gill #03

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PM 12:04 ――――『Gilt』 ――――――メインストリート 年代モノのビュイックは周りに迷惑とも取れる騒音とハイテンションなHIP HOPのナンバーを車内から垂れ流していた。 俺達は追われてるのに‥‥‥‥ ガンマンが言うには、この辺りで銃激戦をすれば、この街にいるおつむがヤバい奴等が自分を守るために大喜びで参加しに来るらしい。 クレイジーな街‥‥ 窓の外を見ると、たくさんの露店が通りに並び、一方では、どこからか銃声が聞こえ、路地裏で鴉が死体を啄んでる。 俺は、ガンマンを見た。 どこかコイツはこのシチュエーションを楽しんでいるようだ。 ん?ガンマン? そういえば名前なんだろ。 「なぁ、あんた名前はなんて言うんだ?」 「ン?名前?ンなもん聞いてどうすンだよ」 「いや、なんか収まり悪くて。 それとも、トランスポーターみたく、名乗っちゃいけないルールがあるのか?」 「いや、特にねーけど。 まず俺正式な名前ないから付けられる前に一人になったらしい、ウチのメンバーは、俺を『Lie』(ライ)って呼ぶけどな。 ガキの頃からの暗黒街での通り名‥‥」 「‥‥‥‥なぁ、 俺はこれからどうなるんだ?」「さぁ?知らね。 それはボスにしか分からねぇ」 「そうか‥‥‥‥ 済まなかったな、店のこと」 「お前珍しいな、そんなの言ってくる奴はいなかった。 行くとこねぇンなら俺らのとこで働くか? ウチにはパソコン使える奴がいねぇんだよ。 以外とお前面白い職業だしなデジタル式の金庫や赤外線センサーとか解除できんだろ? 007みたいに、そうしたらコカインパクる前の仕事で足を撃たれずにすんだのにな。 まぁ、ボスが気に入ったらだけどな。 それに、鉄火場には不向きだ。 変なこと言って悪ぃーな」 ビュイックが港のゲートを通過する。 ライは煙草をふかし始めた。
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