Gill #03

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ビュイックを降りて、俺とライは倉庫街を歩いた。 一番端の倉庫に着くと、先にライ後から俺が入った。 中には船が一隻あった。 デッキの上のカバーがかかっている所になにがあるのか形で分かった。 機銃砲だ… よく見るとなかなかこの船ボロい。 そんなこと言ってたら、三秒も生かさせてもらえない。 「ヘイ!ボス連れて来たぜ!」 船の中から顎髭に茶髪の体格がいい男が出てきた。 『よう、ライそれに不思議の国に迷いこんだ元依頼者さん。 悪いがあんたの行く末は全てことが済んでから決まることになる。 死体安置所の冷蔵庫かもしれないし‥‥売春屋にまわされるかもしれない‥‥ おっと、悪かったな。 俺の名前は、『Ford』(フォード)だ。 まぁボスと呼んでくれ』 フォードはタバコをふかしながら握手した。 妙にフレンドリーな人だな。 デッキに座ってデカい銃を手入れしている女の子がいた。 銃に詳しくないからデカい銃としか言えない。 「なぁ、ライあの子は?」 「ン?アイツか? アイツは、『Alice』(アリス) あぁ、アイツは喋れないからほっといてやってくれ。 一人と銃が好きなんだ」 アリスと呼ばれる子と一瞬目があった。 アリスは銃と白いウサギの人形を持ってどこかに行ってしまった。 人見知り激しいのかな? 「あの子もメンバーなのか?」 フォードが船を点検しながら答える。 『アイツは、昔俺達が売春目的で売られるガキを詰め込んだ船を船ごと横取りする仕事があってな。 俺達はいつもどうりに船を接近させ、機銃砲で威嚇して、デッキの上でライはマイク持って叫び散らしていた。 ンで、見事に仕事を終えて港に戻ったとき‥‥他のガキは連れて行かれるのにアリスだけは連れて行かれなかった‥‥ 依頼者から喋れないからいらないと言われ港に置いてけぼりになったアリスを博愛主義者の俺が引き取ったわけだ』 「じゃあ、銃の知識とかはあんた逹が教えたのか?」 『それは、俺達にもわからねぇ。 一緒に仕事しているうちに覚えたらしい。 アイツも俺達も不思議の国に迷いこんじまったのさ‥‥』 売春‥‥銃の知識‥‥ 俺は暗黒街にいる実感を感じていた‥‥ 吸っていた煙草の灰が 靴に落ちる‥‥
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