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AM 10:03
――――――『Peace Maker』
あれから1週間がたった‥‥
俺は行くあてもないからいや、刺激的な仕事を求めてここで働くことにした。
俺は煙草を吹かしながらマックの画面を見つめている‥‥
スローペースで画面に文字を打ち込む。
ライが寝癖を直さずに自分の部屋から出てきた。
「こんな朝っぱらから何やってンだ?」
「久しぶりにハッカーとして働いているとこだよ」
「また前みたいなミスすんなよ。
面倒が増える」
あくびしながらライは言った。
「今回は大丈夫。
カンパニーのメインサーバーをハックしてカンパニーの悪業を証拠付きでネットに流してるだけだよ」
「俺には分かんねーや」
頭を掻きながらライは部屋に戻っていった。
チェス盤のような模様をした床‥‥
入口から入って正面には大きな机と商談用の小さな机と向かい合っているソファ‥‥
窓際に小さな花とクマのぬいぐるみ‥‥
煙草に銃‥‥
ラジオは電波が悪いのか途切れ途切れに音を出す‥‥
そして、俺用の机。
「世界は、自分達が見ているのは嘘(ライ)ばかりだと気付かなきゃいけない」
俺は小さく呟いた。
今日も街には硝煙の臭いが漂っている。
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