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──あなたの尊敬する人は誰ですか?
「尊敬する人はいません。
自分が一番です。
でもそうですね……強いて言うなら、僕と同年代で活躍する三宅さんですかね」
──何故同じバイオリンを扱う彼女を?
「彼女の弾くバイオリンは非常に情熱的なんです。
バイオリンとは厳かな風格が漂う楽器なのに、聞くものを陽気にさせるあの技術は目を見張るものがありますね」
──彼女と共演したいですか?
「まぁ、いつかは。
でもまぁ、彼女から共演の誘いが来てるんですけどね。
僕も十分に場数を踏んだら、彼女と舞台に立ちますよ」
バイオリンの申し子は、まだ場数が足りないという。
ウィーンの名誉あるコンサートに参加するほどの実力だというのにだ。
天才はまだ何を求めるのだろうか。
聞いてみるとする。
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