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アナタは美しい過ぎる。
その美しいアナタを傷つける奴がいるならば、その時は
俺が、護りましょう。
「幸」
大阪。
そしてここはその大阪にある城、大阪城。
その大阪城を護っているのが、この俺石田三成だ。
「幸、いないのか?」
そして、今はどうやら「幸」と言う人物を探してるらしい。
すると
「ここにいますぞ、三成殿」
透き通るような、はたまた聞こえやすい澄んだ声が襖の先から聞こえた。
【ガラ】
「ここにいたのか、幸」
彼は真田幸村、今は関ヶ原の戦いに備えて、大阪城に留まっていた。
「気づかなかったので御座るか??」
幸村はやんわりと、尚且つイタズラっぽい笑みをしてみせた。
「幸が気配を消していたからだろう?」
三成もそれに答えるかのように、笑みをみせた。
すると幸村はクスッと笑ってこう答えた。
「流石は秀吉殿の右腕…これ位、わかって当然なので御座るな」
三成も顔の笑みを崩さないまま、幸村に答えた。
「いや、俺も幸の気配を気づけなかった。……それに、『秀吉の右腕』なんて昔の肩書きだ」
「そんな事は御座りませぬ、今でも充分『右腕』としての威厳がありますぞ?」
「…幸がそう言うなら、それで良いな」
そう言って三成は、静かに幸村を後ろから脇に手を通して抱きしめた。
「み、三成殿……///」
抱きつかれた幸村は、頬がほんのりと紅色に染めた。
「幸はいつも…身体からいい匂いがするな」
「そ、そうで御座るか??///」
それを聞いて幸村は、更に頬が紅くなった。
「あぁ、いつ抱きついても甘い香りがする」
「むぅ…、某には良く分かりませぬ……///」
そういって幸村は腕に顔を近づけて匂いをかいだ。
三成はそれを見てフッと笑うとこう答えた。
「自身の身体の匂いに気づく者など、そういやしないさ」
「それは……そうで御座るな」
「それに……幸からこんな匂いがするのを知ってるのは俺だけで充分だ」
そう言って三成は首筋に口づけをした。
「ひゃあっ///」
幸村は驚いて、声を上げた。
「幸は首が弱いな…まぁ、幸の場合首以外も感じてるよな」
「かっ、かかか感じているなど……///」
その言葉で幸村は顔を一気に紅くなった。
「違ってはない……だろ?」
「うぅ……///」
すると三成は幸村と向き合う体制になった。
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