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朝食を食べ終わり、テレビで天気予報を見ていた。
「…先日の雨とは異なり、今日は1日快晴でしょう」
やった、と心の中で呟く。最近はずっと雨ばっかり降っていて今日晴れるかどうかとても心配だった。
「ほら、アル」
アーサーが俺に手提げ鞄を渡す。中にはハンカチやティッシュ、水筒…ピクニックに必要なものが入っていた。
「昼飯はフランシスのやろうが持ってきてくれるんだよな?」
「そうだよ。…それより、」
俺は鞄の中の奥に入っている折りたたみ傘を取り出した。
「何で折りたたみ傘なんているんだい?今日は1日快晴じゃないか!」
「もしもの為にだ。それよりアル、変なことされたらすぐ逃げるんだぞ?それから日が暮れる前には…」
「大丈夫だって!俺はもうそこまで子供じゃないんだから!!」
アーサーの言葉を遮って少し大きめの声で言った。子供じゃない、って言ってもまだ9歳だけど。と自分で自分につっこんだ。
「そんなこと言ったってなあ…今日俺が用事が無かったらついて行ってやるとこだったんだが…」
はあ、とアーサーがため息を吐くとインターホンが鳴る。フランシスだ!と俺は走って玄関へ向かう。
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