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ガチャとドアを開けば予想通りの彼がいた。いつもと同じ笑顔でいる彼につられて、俺も顔が笑顔になった。
「おはよう、フランシス!」
「おはよう、アル。…あとアーサー。」
フランシスがいつの間にか俺の後ろにいたアーサーに目を向ける。
「来やがったな、フランシス!お前、アルに変なことしたらただじゃおかねぇからな!!」
「フランシスはそんなことしないよ!!」
フランシスの変わりに俺が答える。するとフランシスが俺の頭を撫でてくれた。
「そーそー。お兄さんはそんな変態じゃありませーん。ねぇ、アル?」
うん!と答えると、呆れた顔をしたアーサーが俺にあの鞄を渡してくれた。そしてしゃがんで俺の首もとの赤いリボンを触ってきた。
「アル、リボンずれてる」
「ありがとう、アーサー」
そして小さい声で、変じゃないかな?と聞くと、アーサーは笑って大丈夫と言ってくれた。
「それじゃ行ってくるね!」
ばたん、と扉が閉まった。
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