第1章 選択は『Yes』or『はい』

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二人が笑顔のまま朝食を食べ終わり、そのまま片付けをした。 少年は準備をし、といってもローブを纏いブーツを履くだけだが、少し先で宙に滞空している二人に向き直った。 フードは既にかけられ、口元だけがのぞく。 「さて、まずはギルドに行かなきゃな。ファーネス、ルシュカ、後で喚ぶ。………“転移”」 「「はい、いってらっしゃい!!」」 詠唱、起動時間共に一流の魔法を前に、二人の声は届いただろうか。 ギルド内、マスターの執務室。 「来た、かな………?」 ギルドマスターの小さな呟きに呼応するように、締め切った室内に僅かな風がまく。 「任務潰しにきたぞ、セレス」 執務室にいきなり現れても、ギルドマスターであるセレスを呼び捨てしても、もう日常茶飯事なので咎められることはない。 「そろそろと思ったわよ。今日は何するの?」 「Xランク全部だ」 Xランク任務は帝以上しか受けられず、難易度が高く数は少ない。 セレスが先日頼んだ10個が今あるXランク全てのため、これさえしておけば暫くはないだろう。 「あらま。三つは減らしていいわ。機嫌がいいんだかなんだか分かんないけど、闇帝が三つするって言ってるのよ。減る分はいいわよね?」
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