第1章 選択は『Yes』or『はい』

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セレスはそう言いながら依頼書の束を差し出す。 これに首肯し7枚の依頼書を受け取る。 セレスはデスクから立ち上がり真面目な表情を浮かべた。 同じく、少年も無表情ではあるが目には真剣な光が宿る。 「これより、ヴィアスドールのギルドマスター、セレス・アリウスより……『終焉の紡績者』グレイド・シルヴァーにXランク任務、7項目の遂行を依頼します」 「グレイド・シルヴァー、確かにギルドマスターより7項目の任務を請け負った……これでいいか?」 どうやら高ランク任務はギルドマスターからの依頼として任務の請け負いがあるようだ。 銀灰の少年、グレイドは依頼書をめくって内容を確認している。 「上出来ね。」 セレスがいつも真面目にしてくれればいいのに、とぼそりと愚痴を零したことに対してか、任務内容を見てなのか、はたまたその両方に対してかは分からないが、グレイドは顔をしかめた。 一通り依頼書を見るとローブの中にしまい、両方の手の平に魔法陣を浮かべる。 「……任務開始する……“召喚”ファーネス、ルシュカ……来い」 「ますたー!任務ぅ!」 「アルジ、どこから行くの?」 魔法陣から、軽快なぽんっという音と共に現れた二人。 それぞれ手の平から飛び上がって腕に抱き着いた。
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